(離婚24)夫から生活費が支払われない場合

2017-03-15

(離婚24)夫から生活費が支払われない場合

【事例】
突然,夫が家を出て行ってしまい,生活に困っています。夫に対して,生活費を支払うよう請求することはできるのでしょうか。

【解説】
夫婦は婚姻中,通常の社会生活を維持するのに必要な婚姻費用を互いに負担し合わなければなりません。
これを,婚姻費用の分担義務といいます(民法760条)。

※ 民法760条「夫婦は,その資産,収入その他一切の事情を考慮して,婚姻から生ずる費用を分担する。」

夫婦が別居している場合であっても,婚姻関係は消滅しません。したがって,妻は,別居中の夫に対して,婚姻費用の分担を請求することが可能です。

婚姻費用の具体的な内訳として,次のものが考えられます。
・日常的な衣食住の費用
・医療費
・子どもの養育費や教育費
・一般的に必要とされる程度の交際費や娯楽費
等々

金額や支払方法は,まず夫婦が話し合いで決めることになります。
話し合いが調わない場合,家庭裁判所に婚姻費用分担の調停を申し立てることになります。申立て先の裁判所は,相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。
調停においては,実務上,婚姻費用算定表を基準に話し合いがなされることがほとんどです。
調停でも解決できない場合は,審判に移行します。

相手方が,婚姻費用を支払わなくなったり,支払いが遅れている場合には,強制執行を考えることになります。
夫婦の話し合いで取り決めた内容を公正証書にしていた場合や,調停調書・審判書等がある場合には,強制執行を申し立てることができます。

強制執行に際して,差押えをする相手方の財産が給料の場合には,未だ支払期限が到来していない将来の部分についても,あわせて申立てをすることができます(民事執行法151条の2第1項)。