(離婚22)離婚後に養育費が支払われない事例

2017-02-27

(離婚22)離婚後に養育費が支払われない事例

【事例】私は,1年前に協議離婚をしました。離婚をする際,子どもの親権は私が取得し,夫から養育費を支払ってもらうことになりました。しかし,現在,別れた夫からの養育費の支払いがされなくなり,催促をしても払ってもらえません。

【解説】
養育費支払についての取り決める場合,いくつかの方法があります。
大きく分けて,
①家庭裁判所の調停調書
②公正証書
③公正証書以外の文書での約束
④口約束
の4つが考えられます。

これらの取り決め方によって,養育費が支払われない場合に執ることができる方法が異なります。

支払いのために最も有効といえるのは,①家庭裁判所の調停調書による方法です。
調停調書には,執行力といって強制執行ができる法律上の効力があります。このため,調停調書を使うことによって,別れた配偶者の給料や預貯金を差し押さえることができます。

また,②公正証書で養育費の支払いを取り決めている場合にも,その公正証書に執行力が生じます。この意味で,②公正証書も,養育費の支払いを求める上で有効な手段といえます。
ただし,この公正証書には,義務者が強制執行に服することをあらかじめ認めたことを示す条項(執行認諾文言)が付されていることが必要になります。このため,公正証書によって養育費を取り決める場合には,この条項が記載されているかを十分に確認する必要があります。

他方,③公正証書以外の書面や④口約束で養育費の支払いを取り決めた場合には,直ちに,別れた配偶者の給料や預貯金を差し押さえることができません。
この場合,別途,養育費の支払いを求めて,家庭裁判所に対して調停を申し立てる必要があります。

なお,離婚に際して,養育費の取決めをどのような方法によるべきかはケースバイケースです。
例えば,早急に離婚をする必要がある場合には,③公正証書以外の書面や④口約束によって養育費を取り決めることが適切な場合もあるでしょう。

また,相手方配偶者が,養育費の支払いについて理解があり,公正証書の作成に前向きな場合には,②公正証書によって離婚条件を定めることが良いでしょう。
調停の場合には,どうしても解決まで時間がかかります。②公正証書については,双方の話し合いがスムーズに進めば,離婚までの期間を短縮することが可能となります。

最後に,離婚自体について夫婦双方で争いがある場合には,①調停を申立て,その中で養育費についても協議していくことになるでしょう。ただし,調停は,裁判所による公的な手続であるため,③公正証書による場合に比べて解決までの時間がかかることが少なくありません。

離婚に際しては,将来における不払いの可能性も想定して,養育費の取決めを選択することが良いでしょう。