(離婚19)養育費請求権の放棄

2016-10-05

(離婚19)養育費請求権の放棄

【質問】
私は,夫と子どもの2人家族でしたが,先日離婚しました。その際,夫に養育費を請求しない条件で,私が子どもの親権者となりました。しかし,離婚後,生活が苦しくて大変です。夫に,養育費を負担してもらうよう請求できないでしょうか。

【回答】
請求できます。まず,養育費とは,子どものための生活費のことです。婚姻分担費用(民法760条),夫婦間の扶助義務(民法752条),子の監護に必要な事項(民法766条1項)から来ています。生活保持義務といって,親自身の生活を保持するのと同程度の生活を,我が子にも保持させることが求められます。養育費の内容には,通常かかる衣食住の費用のほか,教育費や医療費なども含まれます。
養育費は,子ども自身がもつ権利です。子どもを監護する親にある権利ではありません。養育費と扶養請求権は,微妙に異なる権利なのですが,実務上は同様に考えられることが多いです。

今回のケースのように,両親が離婚する際に,「養育費を請求しない」という約束をして離婚がされるケースも少なくありません。しかし,本来の権利者である子ども自身から,親に対して扶養請求権を行使することは可能です。養育費を請求しないという合意があること自体は,支払われるべき額を定める際に斟酌されることはありますが,親の子どもに対する扶養義務を免れさせるものではありません。