(離婚15)親権…非嫡出子と親権…

2016-08-19

(離婚15)親権…非嫡出子と親権…

【質問】
私は,内縁の妻との間に,未成年の子どもが1人います。先日,内縁の妻が亡くなってしまいました。私は,自動的に子どもの親権者となるのでしょうか。

【回答】
 非嫡出子とは,婚姻関係にない男女の間で産まれた子です。両親が婚姻関係にないために,親権が複雑になります。
 まず,非嫡出子と母との親子関係は,分娩により当然に発生するものと解されています。母は,当然に非嫡出子の親権者となります。非嫡出子を認知した父は,父母の協議で父を親権者と定めたときに限り親権者となることができると定められています(民法819条4項)。そのため,認知したことで,自動的に非嫡出子の子どもの親権者となることはありません。

 では,非嫡出子の単独親権者が死亡した場合にはどうでしょうか?認知した父親が当然に親権者となるのでしょうか?
 かつては,未成年者に対して親権を行うものがないとき(民法838条1号)にあたり,後見が開始しているので,親権者指定の余地がなく,後見人が未成年者の監護や教育,財産管理に当たるとされていました(昭和24年民事局長回答など)。しかし,家庭裁判所の実務では,後見開始後でも後見人選任前であれば,家庭裁判所の親権者指定又は変更に関する審判ができるとされています。
 つまり,単独親権者である母親が死亡する前に父親が認知していた場合は,親権者の変更となり,母親が死亡してから父親が認知した場合には親権者の指定となります。

 なお,親権者指定や親権者変更についての基準については,法律で定められておらず,審判官の裁量に委ねられています。民法は,未成年者の監護について,親権を後見(人)に優先させて,後見を親権の補充的な制度として考えています。単独親権者である母が死亡後,長い間,子どもと同居し,父として扶養してきた申立人が(認知は母死亡後),親権者指定を申し立てた審判で「潜在的に親権者となる資格のあるものが存在するときでも,親権を後見に優先させて然るべきものと解される。」としたものがあります(東京家審昭和44年5月9日)。

 まとめとして,内縁の妻が亡くなった後,認知した子どもさんの親権者となるには,家庭裁判所に親権者変更に関する審判を申し立て,内縁の妻が生きているときから子どもさんと同居し,内縁の妻とともに養育していた場合,特段の事情がない限り,子どもさんの親権者は変更されるでしょう。実際の手続きとしては,親権者変更の審判が確定後,審判の確定証明書を添付し,親権者変更届を提出することになります。