親権者の指定について

2016-05-27

親権者の指定について

1.はじめに
離婚をする場合,その一方を親権者として定める必要があります(民法819条1項)。親権者が定められていない場合,離婚届は受理されません。
しかし,双方の話し合いで,親権者を決めることができない場合があります。この場合には,夫婦の一方が家庭裁判所で離婚調停(夫婦関係調整調停)の申立てをして,その調停の中で親権者を定めることになります。
調停は話し合いです。このため,調停でも,お互いが折り合うことができない場合も生じます。そのような場合には,家庭裁判所に協議に代わる審判を申し出て,家庭裁判所に親権者を決めてもらうことになります。
また,離婚自体に争いがあり,裁判上の離婚をする場合にも,裁判所が親権者を定めることになります(民法819条2項)。

2.親権者決定の判断基準
上で述べたように,当事者間で協議がまとまらないときには,裁判所が親権者を決めることになります。当事務所に相談にみえる方の中には,親権者が決められる判断基準について知りたいとおっしゃる方が少なくありません。
現実の親子関係の状況は,家庭によって異なります。家庭裁判所は,そのような状況を個別具体的に勘案して,父母のどちらが子の福祉のために良いかという観点から,親権者を決めていきます。
一般的に言われているのは,次のような事情です。監護に対する意欲や能力,経済的な状況,教育環境,従前の監護状況,子に対する愛情の程度,実家の状況,親族からの援助の可能性,年齢や性別,兄弟姉妹の関係,子の希望等々。この他にも,個別的な家庭の状況によって,考慮すべき事情が様々あります。

3.審判で親権者を決めることについて
上記のように,当事者間で話がまとまらない時には,最終的には家庭裁判所が親権者を決めることになります。
しかし,将来の親子関係のためには,家庭裁判所によって親権者が定められるよりも,当事者間の話し合いによることの方が良いことが少なくありません。