日常生活の疑問(離婚3)離婚によって生じる効果について-その2-

2016-06-29

日常生活の疑問(離婚3)離婚によって生じる効果について-その2-

【前回の質問】
 私は,結婚して夫と子ども2人がいます。実は,離婚を考えています。離婚するときに,考えておかなければならないことや,準備することがありましたら,教えてください。

【回答】
離婚をして生じる効果について,1.人格的効果,2.財産上の効果,3.子どもについて,4.その他の効果のうち,前回は1.人格的効果,2.財産上の効果について,概要をお話しました。今回は,3.子どもについて,4.その他の効果について,お話ししたいと思います。

3.子どもについて
 親権者・監護者,面接交渉,監護費用(養育費)があります。
 父母が婚姻中は,父母が共同して親権を行使するとされています(民法818条)。しかし,離婚となると,父母が密に信頼関係を保って,共同して親権を行使することが望めないので,未成年の子がいる場合は,父母の一方を親権者と定めて,離婚届にも記載しなければならないのです(民法765条1項,819条1項)。裁判で離婚する場合は,裁判所が父母の一方を親権者と定めます(民法819条2項)。また,親権者とは別に監護者を定めることもできます。離婚の際に,監護者や監護について必要な事項を話し合って,それでも解決できないときは家庭裁判所が定めます(民法766条1項,771条)。ここで,監護者とは聞き慣れない言葉ですが,身上監護権のことをいいます。例えば,子どもがまだ幼く,母親は経済力が不足しているというような場合,父親が親権者になるが,母親に監護権を与え母親が実際に育てるということも可能です。後からトラブルになることを予防するために,離婚合意書や公正証書にして残しておくことをお勧めします。この場合,親権者である父親から養育費の支払いを受けることになります。
面接交渉とは,親権・監護権を有しない親が,子どもに会うことを認めるという権利です。平成24年の法改正により,権利として認められました(民法766条1項)。
監護費用(養育費)とは,離婚によって父母のどちらか一方が,未成年の子どもを引き取って面倒をみた場合(監護)にかかる費用のことです。離婚しても,親の未成年の子どもに対する扶養義務は残ります。親は,子どもが親と同等レベルの生活が維持できるように費用を負担する生活保持義務を負うのです。これについても,平成24年の法改正により明文で規定されました。離婚の際には,子の監護に要する費用の分担について話し合いをし,それでも解決できない場合は,家庭裁判所が定めます(民法766条1項)。なお,養育費という権利そのものは時効がありませんが,個々の債権について支払いの履行期が来たものについては,時効がかかりますので注意です。

 4.その他として,結婚によって配偶者の名字(氏)に変えた夫又は妻は,離婚の話し合いによって,結婚前の氏(旧姓)に戻ります(民法767条1項)。また,結婚前の氏に戻した場合であっても,離婚から3ヶ月以内に届け出れば,婚姻中に使用していた氏を使用することができ,これを婚氏続称といいます(民法767条2項)。離婚したことで,氏が旧姓に戻ると却って不便になり,社会生活に支障をきたす女性も多いため,このような規定があるのです。

今回は,3.子どもについて,4.その他の効果について,お話しさせていただきました。
次回は,前回お話した2.財産上の効果(財産分与,慰謝料)について,更にお話してみたいと思います。よろしければ,またご覧になってみてください。