日常生活の疑問(離婚2)離婚によって生じる効果について-その1-

2016-06-28

日常生活の疑問(離婚2)離婚によって生じる効果について-その1-

【質問】
 私は,結婚して夫と子ども2人がいますが,実は離婚を考えています。離婚するときに,考えておかなければならないことや,準備することがありましたら,教えてください。

【回答】
それでは,離婚をして生じる効果について,順を追って概要をご説明した後に,個々の事項についてお話していきたいと思います。
離婚をした際には,1.人格的効果,2.財産上の効果,3.子どもについて,4.その他の効果が生じます。基本的には,婚姻によって生じた効果が解消されると考えてもらえば大丈夫です。しかし,婚姻と異なるのは,子どもの今後についてどうするかを考えなければならないということです。

まず,今回は1.人格的効果,2.財産上の効果について,概要をお話します。

1.人格的効果とは,同居・協力義務が消滅することです。婚姻した際には,同居・協力義務という効果がありました(民法752条)。離婚の効果として,民法の条文で定められているものではありませんが,離婚によって,当然その義務が消滅するものと考えられます。

2.財産上の効果は,財産分与請求権が生じることです。民法で「離婚をした者の一方は,相手方に対して財産の分与を請求することができる(協議離婚の規定を711条で裁判離婚に準用)」と定めており,財産分与請求権といいます(民法768条1項)。なぜ,離婚をするときに,相手に対して財産を給付することを請求できるのでしょうか。財産分与請求権の性質や内容について,どのようなものでしょうか。
財産分与請求権の内容については,3つの要素があるといわれています。1.夫婦の財産関係の清算的要素,2.離婚に伴う損害賠償的要素,3.離婚後,生活に困窮する配偶者の扶養的要素です。

1.夫婦の財産関係の清算的要素 民法では「当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮すべき」と規定しています(民法768条3項)。このことからも,財産分与は清算的要素があることが窺われます。
しかし,1.夫婦の財産関係の清算という考え方によっては,対応できないケースも生じてきます。そのときに,不足を補う手段として,慰謝料という意味を持たせました。慰謝料とは,精神的損害を賠償する手段であり(民法710条),裁判官が額を算定するのに融通が効きます。しかし,本来慰謝料とは,故意・過失があること=有責性が要件ですが,離婚する際に,必ずしも有責性があるとは限りません。すると,1.や2.の考え方ではカバーできない面が生じてきます。それで,離婚後の妻の生活を経済的に補おうというのが,3.扶養の要素です。

 なぜ,離婚後にあって,一方配偶者が,もう一方(主に,妻を想定)に対する扶養という考え方が出てくるのか,疑問が生じますね。それについては,いろいろな説明がなされています。一つには,離婚によって一方の生活が困窮し,生活保護を受けることになるより,元配偶者が負担することが望ましいという考え方です。また,別れたとはいえ,一度は夫婦の仲だったのだから「袖振り合うも多生の縁」という説明もあります。また,実際には婚姻が破綻しているのに,経済的理由から離婚できない配偶者の,離婚の自由を保証するためという説もあります。

 以上,離婚をすることによって生じる効果について,1.人格的効果,2.財産上の効果について,概要をお話させていただきました。
次回は,3.子どもについて,4.その他の効果について,概要をお話してみたいと思います。よろしければ,またご覧になってみてください。