日常生活の疑問(結婚) 結婚するのに,法律で決まりがあるのでしょうか。

2016-06-03

日常生活の疑問(結婚) 結婚するのに,法律で決まりがあるのでしょうか。

【質問】
 私は,大学時代から交際してきた男性と今度結婚することになりました。結婚する際には,婚姻届を出すということは知っています。他にも,法律で定められている決まりがあるのでしょうか。
 
【回答】
 まず,結婚するには,当事者の間で夫婦になろうという「婚姻意思」があることが必要です。これは,憲法でも定められています。婚姻意思のない結婚は,そもそも無効となります。

 更に,民法では婚姻できない場合として婚姻障害事由を規定しています。婚姻障害事由があると,その結婚の取消原因となります。婚姻障害事由は,①婚姻適齢にないこと,②未成年者の婚姻について父母の同意がないこと,③一定の近親婚であること,④重婚,⑤再婚禁止期間内の婚姻です。

①婚姻適齢
 民法は,婚姻届を出す時点で,男子満18歳未満,女子満16歳未満の婚姻を禁止しています。これは,肉体的,精神的に成熟しない者の婚姻を禁ずるためです。
②未成年者の婚姻について,父母の同意
 また,男子満18歳以上,女子満16歳以上であっても,未成年者(満20歳未満)の場合には,父母の同意が必要です。両親ともの同意でなくても,父母の一方の同意でも足ります。同意がないと婚姻届は受理されませんが,万が一受理されても婚姻は有効になります。これは,未成年者は婚姻によって成人したとみなされるため,一旦受理されて婚姻が成立すると,未成年者ではなくなるから有効としたのだと思われます。
④重婚 
 配偶者のある者は,重ねて婚姻することはできません。婚姻の本質は,一夫一婦制であることからする当然の規定です。
⑤再婚禁止期間内の婚姻
 離婚した女性は,前婚が終了した日から,6ヶ月間は再婚できません。これは,子の父親が誰なのかの争いが生じるのを防ぐためです。この制限に関して,「100日を超える再婚禁止期間は,憲法に違反する」という最高裁判所判決が出ました。この判決を受けて,離婚した女性の再婚禁止期間を6ヶ月から100日に短縮する民法改正がなされました。
③一定の近親婚 
 民法は,直系血族間または3親等以内の傍系血族間の婚姻を禁止しています。これは,優生学上の根拠や,倫理的理由によるものです。

 これら婚姻障害事由をクリアすると,届出(婚姻届)を出すことによって結婚は効力を生じます。結婚すると,夫婦の同居や協力,扶助義務など財産上の効果が生じます。そうすると,第三者の利害も絡んできます。つまり,婚姻が成立しているかどうか,明確に判定出来ないと困るのです。それで,日本の民法は法律婚主義が採用されました。 
 また,届出自体は形式的な審査なのですが,婚姻障害がないことを認めた後でなければ届出を受理できないと民法で規定されているため,実質的にもチェック機能を果たしているといえます。