日常生活の疑問 離婚について,教えてください

2016-06-14

日常生活の疑問 離婚について,教えてください

【質問】
 私は,夫と別居していて,夫と離婚を考えています。夫は,どう考えているかは分かりません。離婚をする方法や手続きについて,教えてください。

【回答】
 離婚の方法には,大きく分けて3種類あります。①協議離婚,②調停離婚,審判離婚,③判決離婚です。それぞれについて,簡単にみていきましょう。

①協議離婚
夫婦間で離婚をするという合意ができている場合には,協議離婚をすることができます。実質的要件として,本気で離婚したいという意思が要求されます。これは,知らない間に、一方当事者の意思に反して離婚届が出される場合があるからと,特に妻が専業主婦である家庭にとって、離婚後の経済的な影響が大きいことからであると思われます。また,形式的要件として届出(離婚届を提出する)が要求されています。
とはいえ,協議離婚は最も簡便な方法です。離婚届に必要事項を記入して,夫婦双方と成人の証人2人が署名捺印し,市役所等に提出して受理されると離婚が成立します。

②調停離婚
 当事者間で離婚の話し合いが成立しなかったり,相手の意思がはっきりしない場合、裁判で離婚を求めることになります。ただし、離婚訴訟は調停前置主義が採用されているため、訴訟提起前にまず調停をすることになるのです。もし、調停で離婚が成立すると調停離婚となります。
調停は,*相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または夫婦の合意で定めた家庭裁判所に申し立てます。親権者,養育費の支払いや財産分与,年金分割及び慰謝料の支払いなど離婚に関係して決めておくべき事項についても,同時に調停で決めてもらうよう,申し立てることができます。
調停でも当事者の合意に至らず調停は成立しなかったが、離婚を認めるのが適当と判断された場合は、裁判所が職権で離婚を認める審判をすることができ、審判離婚といいます。例えば、財産分与や親権でわずかな意見の対立で調停が成立しない場合などです。しかし、2週間以内に異議が申し立てられると効力を失ってしまうため、実際はあまり利用されていません。

③判決離婚
 離婚調停が成立せず終了した場合には,離婚を求める夫婦の一方が原告となり,他方を被告として,夫婦のどちらかの住所地を管轄する家庭裁判所に対して,離婚の訴えを提起することになります。離婚後の子どもの親権者を夫婦のどちらにするか,養育費の支払いや財産分与,年金分割および慰謝料の支払いなど離婚に関係して決めておくべき事項についても,判決で決めてもらうよう求めることができます。
民法770条において,離婚原因として(1)不貞行為,(2)悪意の遺棄、(3)3年以上の生死不明、(4)強度の精神病、(5)その他婚姻を継続し難い重大な事由,が定められています。
(1)配偶者以外の異性と性的関係を持つのは,配偶者にとって貞操義務違反という違法行為だから、離婚請求を認めるべきとの考え方に基づくと言われます。(2)故意に,配偶者に対して同居・協力義務(752条)を履行しない事をいいます。(3)配偶者の生死不明は元々典型的な破綻原因なのですが,原則として破綻が認定されるということを明確にするため例示して規定されたといえます。
(1)~(4)の事由があれば原則、離婚が認められます。しかし,それ以外でも匹敵するような事由があれば(5)によって離婚原因となり得るため,(5)は包括的な規定です。ただし、(1)~(4)の事由があっても、実際に離婚が認められるかどうかは、裁判官の裁量のもとにあります。当然に離婚が認められるというわけではありません。

*相手方の住所地を管轄する家庭裁判所・・・原告から訴えを提起されると,訴えられた人は,応じなくてはならなくなります。そのため,公平の観点から,訴えられる人の生活の本拠地にある裁判所に対して訴えることとされました。民事訴訟法4条1項にて「被告の普通裁判籍所在地(原則,住所地)を管轄裁判所とする」と規定されています。